「Well being」と「Happiness」の違いとは?ポジティブ心理学の3つの階層について説明してみた
2021/02/13
こんにちは。
株式会社マルション・アンサンブルのブログです。
ポジティブ心理学は、マーティン・セリグマン博士が創設した、「人間の幸福」について科学的観点から研究された学問のことです。近年では、ポジティブ心理学を応用したマネジメントが企業に導入・活用されており、注目を集めています。
今回は、ポジティブ心理学における「Well being」と「Happiness」の違いと3つの階層について解説します。ポジティブ心理学がどのように研究されているか、その背景を知ることでポジティブ心理学をより深く理解することができます。
目次
- ○ セリグマン博士が創設した、 ポジティブ心理学とは?
- ○ 「Well being」と「Happiness」の違い
- ○ ポジティブ心理学の3つの階層
- ・主観的階層
- ・個人的階層
- ・社会的階層
- ○ 最後に
セリグマン博士が創設した、 ポジティブ心理学とは?
ポジティブ心理学は、「幸せや幸福について」実測できるよう科学的に追及された学問のことで、セリグマン博士が創設しました。従来の病理的な心理学とは違う視点から、ポジティブ心理学では「人のより良い生き方」「本当の幸せ」について研究され、様々なことが定義づけれられています。
例えば、ポジティブ心理学では「幸せ」と「快楽」を下記のように明確に区別し、定義しています。
・快楽:苦痛・ストレスから避けること(例:好きなことだけをする、リゾートでのんびりする、など)
・幸せ:自分自身の強みや可能性によって理想を実現すること
また、「ポジティブ」という単語についても、単に前向きに物事を捉えるだけのポジティブ思考とは異なり、ネガティブ思考と共存させた、より適切な「ポジティブ思考」を定義しています。その上、「人生の幸福度や充実度」に関わることからポジティブ心理学は、世界で注目されはじめ、企業の「人材」を活かす方法論や問題解決のアプローチなどに応用されています。
また、下記の記事ではポジティブ心理学のメリットデメリットについて詳しく紹介しています。興味のある方はご覧ください。
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「Well being」と「Happiness」の違い
ポジティブ心理学では、下記のように「Well being」と「Happiness」を明確に区別しています。
・Happiness:「感情的で一瞬しか続かない、スパンの短い幸せ」のこと。
・Well being:「身体的、精神的、社会的に良好な状態」「持続する幸せ」のこと。
一般的に幸せとは「Happiness」と訳されますが、「Happiness」は「感情的で一瞬しか続かない短い幸せ」のことを指しています。ポジティブ心理学では、お金や地位などの「地位財」と呼ばれるものはHappinessに含まれると考えられています。
「地位財」は、たとえ手にして幸福感は一瞬あがったとしても、すぐに他人と比べて幸福度が下がってしまうからです。
一方、「Well being」は「持続する幸せ」のことで、身体的、精神的、社会的に良好な状態であるということを指しています。豊かな発展を遂げた現代社会では、個人のクオリティ・オブ・ライフや幸福度が重要になりつつあることから、「一瞬の幸せ」ではなく、「長い時間での幸せ」を意味する「Well being」が注目され、盛んに研究が行われています。
セリグマン博士によると、「Well being」は高めることができ、その「Well being」を高める要因として「社会的な人間関係」が有力であることが多くの研究でわかっているとのことでした。
ポジティブ心理学の3つの階層
ポジティブ心理学は、セリグマン博士が提唱してから多くの研究者が様々な観点から研究を進められてきました。ポジティブ心理学の研究はかなり広い領域で行われていますが、大きく分けて以下の3つの階層で研究されています。
・主観的階層
・個人的階層
・社会的階層
それぞれの階層の研究について詳しくみていきましょう。
主観的階層
主観的階層では、「良い気分を感じる」ような要素を研究対象として取り扱っています。具体的には、ポジティブな体験、喜び、ウェルビーイング(幸福)、満足感、充実感、幸福感、楽観性、フローなどに着目し、研究が行われています。
個人的階層
個人的階層では、より良い人生となる構成要素や、より良い人間となるために必要な個人的な要素を研究対象とします。具体的に、人間の強みや美徳、愛する力、勇気、独創性、対人スキル、才能、天才性などに着目して、研究が行われています。
社会的階層
社会的階層では、人ととしての人格の向上や、社会の発展に貢献して、個人を超越していくための要素を研究対象として扱っています。具体的には、道徳、社会的責任、教育、利他主義、礼節、寛容、労働倫理、ポジティブ組織などに着目し、研究が行われています。
最後に
今回は、ポジティブ心理学における「Well being」と「Happiness」の違いと3つの階層についてご紹介しました。
ポジティブ心理学では、主観的階層、客観的階層、社会的階層に着目し、どのようにすれば「人生の充実度」が向上するのかを研究しています。近年では、そのようなポジティブ心理学をビジネスシーンで活用できるように、ポジティブ心理学を応用したマネジメント法が多くの企業研修などで取り入れられています。ポジティブ心理学をビジネスシーン実践することで、職場における人間関係、生産性やパフォーマンスが改善・向上する効果が期待されています。
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