ポジティブ心理学のメリット・デメリットをまとめてみた
2021/02/08
こんにちは。
株式会社マルション・アンサンブルのブログです。
近年、最新の問題解決マネジメント手法として注目されているポジティブ心理学は、外資系の有名企業で続々と導入されています。
今までの心理学では、精神の健常さを保てない方の支援としてネガティブな要素を研究対象としていましたが、ポジティブ心理学は多義な領域にわたりますが、ポジティブな要素を研究する心理学として誕生し、現在は企業のマネジメントへと応用されています。
今回は、ポジティブ心理学のメリット・デメリットについてまとめてみました。
ポジティブ心理学を学び、仕事や私生活で実践することで嫌なことがあった場合に対処できるだけでなく、自分やその周りの人の幸福度を高めて、仕事のパフォーマンスや生産性を上げることができます。
注目のポジティブ心理学とは?
ポジティブ心理学とは、「幸せ・幸福に目を向けられた学問」として、ペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン教授が創り出した学問のことです。「科学的な視点」、つまり、実測できる状態で人の生き方や幸せについて追及しています。
ポジティブ心理学の背景やその詳細ついては、ポジティブ心理学を創設したマーティン・セリグマン博士が以下の動画で解説しています。
(出所:The new era of positive psychology | Martin Seligman – YouTube)
目次
- ○ ポジティブ心理学のメリット
- ・良好な人間関係を築くことができる
- ・仕事のパフォーマンス向上
- ・ポジティブ心理学の知識をもとに、専門家として指導できる
- ○ ポジティブ心理学のデメリット
- ・ネガティブ思考が無くなってしまう可能性がある
- ・感情を押し殺してしまう可能性がある
- ○ 最後に
ポジティブ心理学のメリット
ポジティブ心理学を学び、仕事や私生活で実践することで、どのようなメリットがあるかを確認してみましょう。
良好な人間関係を築くことができる
ポジティブ心理学を学ぶことで、良好な人間関係を築くことができます。
人間関係は、人生における幸福度に多く左右し、ポジティブ心理学でも幸せを構成する重要な要素であるとされています。ポジティブ心理学を活用することで他者に貢献したり、他者に支えられたりしながら、辛いことがあっても困難を乗り越えられる良好な人間関係を築くことができます。
また、幸福のバタフライ効果と言って、1人の幸せは、その人が日常的に接している家族や友達の幸福度も上昇し、更に友達から友達へと幸福度が上がる波及効果があるといわれています。
仕事のパフォーマンス向上
ポジティブ心理学を学ぶことで、視野や想像力が豊かになり、仕事のパフォーマンスが向上します。
ポジティブ心理学では、エンゲージメントという「今していることに没頭する仕組み」(フロー状態という)について学びます。エンゲージメントによって、仕事の生産性が高まるだけでなく、幸福感も向上するとされています。
ポジティブ心理学の知識をもとに、専門家として指導できる
ポジティブ心理学を学ぶことで、ポジティブ心理学を指導できる専門家として、活躍することができます。
ポジティブ心理学の専門知識や実践スキルを身に着けられれば、ポジティブ心理学を指導することができます。ポジティブ心理を身近な人や職場で活用するだけでなく、ポジティブ心理学の専門家として活躍の場を広げることができます。
ポジティブ心理学のデメリット
次に、ポジティブ心理学のデメリットを確認してみましょう。
ネガティブ思考が無くなってしまう可能性がある
ポジティブ心理学のデメリットとして、ポジティブな感情を高めようとして「ネガティブ思考が無くなってしまうことが挙げられます。
前述の通りポジティブ心理学では、ネガティブな思考を否定しておらず、ポジティブな思考とネガティブな思考がバランスよく存在している状態が良いとされています。バーバラフレドリクソン博士によるとポジティブ思考とネガティブ思考の黄金比は3:1以上と言われています。
ポジティブ思考は「アクセル」、ネガティブ思考は「ブレーキ」の役割があります。もし、ポジティブ思考一色だと、アクセルばかり踏むこととなってしまいます。そのような状態では、状況や結果に関して、過度の楽観視や甘い判断をしてしまったり、厳密さが欠如して、致命的なミスを起してしまいかねません。
こういった状態にならないためにも、ポジティブ思考だけでなく、必要に応じてブレーキ役であるネガティブ思考も持ち合わせておかなければいけません。
特に、ネガティブ思考は個人だけでなく、職場などの組織レベルでも不可欠です。ポジティブ思考の状態のように「いけいけ!」といった感じだと、トラブル発生や急激な環境の変化に対応することができません。
ときには、慎重な判断をして最悪の状態を考え、早めに対策を打たなければなりません。ポジティブだけでなく、ネガティブな感情も含めてをバランス良く共存させることで、強く安定した組織ができあがります。
感情を押し殺してしまう可能性がある
また、ポジティブ心理学を実践していく中で、自然感情を押し殺してしまう可能性もあります。
ポジティブな感情は、幸福度に関係する要素ですが、ポジティブな感情になろうとして、苦しみや悲しみ、怒りなどの負の感情を抑圧していると徐々に苦しくなってきます。
大切なことは、ポジティブ心理学を活用して、必要以上に落ち込まないようネガティブな感情をコントロールすることです。その上、困難に負けず、逆境を乗り越えられる力を身につければ、自分の人生をより良い方向へと導いていけます。
最後に
今回は、ポジティブ心理学のメリット・デメリットについてご紹介しました。
ポジティブ心理学を学び、実践することで良好な人間関係が構築でき、仕事の生産性が向上し、成果を上げやすくなります。ただし、ポジティブな感情を高めようとしすぎて、ネガティブな思考を失くしてはいけません。ポジティブとネガティブをバランスよく共存させる実践スキルが必要になります。
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