人的資源管理(HRM)とは?人事労務管理(PM)との違いをまとめてみた
2021/06/05
人的資源管理(HRM)とは?その目的と人事労務管理(PM)との違いをまとめてみた
こんにちは。
株式会社マルション・アンサンブルの鈴木恵枝です。
企業にとって、人的資源であるヒトは非常に重要です。将来優秀な社員になるよう人材育成を行い、適材適所に配置・活用するなど、人的資源管理を適正に行えば、多様性が求められる時代に対応できる企業へと成長していきます。
今回は、人的資源管理と目的についてをまとめてみました。人的資源管理と目的、そして比較としてよく出される人事労務管理(PM)などの詳細・特徴について解説します。
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目次
人的資源管理(HRM)とは?
人事労務管理(PM)の違い
人的資源管理(HRM)の目的
組織戦略の実現
人材育成の促進
最後に
人的資源管理(HRM)とは?
人的資源管理(HRM)とは、人的資源を経営目標の達成のために活用すること、また活用するために制度設計・運用することです。組織の目的を達成するために、経営資源の1つである人的資源を活用する制度を設計し、運用することを指しています。つまり、日常のビジネス活動内で組織や経営上の目的を達成するために従業員をどう導くか、というマネジメントのことです。
その人的資源とは、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)のなかで、ヒトに対して用いられる言葉です。
アメリカでHuman Resource Management(HRM)の概念が生まれたのをきっかけに、従業員が企業に供給する労働力の重要性が再認識され、広く認められるようになりました。1990年代の半ば頃から、日本でもヒトに関するさまざまなマネジメントの総称として広く認知されるようになりました。
従業員それぞれが持つ知識や経験、資格などを組織の中で最大限活用して経営課題に立ち向かい結果を出していくことで、人的資源を効果的かつ効率的に発揮できるように管理し、企業の生産性向上へと繋がっていきます。
人的資源管理の最大の特徴は、決まった成功の型が明確にあるわけではないということでしょう。
ヒトは自由に思考するため、企業からのマネジメントに対して反応します。反応はそのヒトによって多種多様であるため、ヒトに対するマネジメントは他の経営資源管理と比較して難しいといえるでしょう。一つの人的資源管理のスタイルに固執せず、企業の目標や長期戦略に合わせて、現場の状況を踏まえた人材マネジメントを行うことが、人的資源管理において重要であるといえます。
人事労務管理(PM)の違い
人的資源管理(HRM)と比較される言葉に人事労務管理(PM)があります。
組織の発展のために人材を管理するという目的では同じ面があるのですが、人材に対する考え方が真逆の特性を持っています。
人事労務管理では、人材をコストや労働力として捉え、会社の利益を最大化することに軸足を置いています。そのため、社員がすでに習得している能力に注目し、人材を育成するという視点が疎かになっています。
それに対し、人的資源管理は、人材を組織にとって貴重な資源として捉え、コスト重視ではなく戦略的資源として捉えています。個々の社員が求める理想を経営戦略に生かすことで、人材は育てられるという考えを軸足にし、人的資源と経営戦略を結び付ける事が可能です。
人的資源管理(HRM)の目的
人的資源管理の目的は、人的資源を適性に配置・活用し経営戦略を実現することです。人的資源管理の目的は大きく分けて2つあります。
組織戦略の実現
1つ目は組織戦略の実現です。
組織戦略とは、理想とする組織のあり方を実現するためのさまざまな方針や施策を指します。組織が何を目指していくのかを明確にし、組織のビジョンを全員が理解する必要があります。組織戦略を実現するためには、組織戦略に合った人材を採用する事も重要ですが、人材をどのように育成し成長させていくかが必要です。
経営戦略を実現することは、人的資源を適正に配置・活用し、企業として成長していくために大切な目的であるといえます。
組織構造や採用、評価、報酬、配置転換、昇進・昇格など、人的資源管理と企業課題解決のための戦略を組み合わせることで、マネジメントによる経営戦略が実現可能となるでしょう。
人材育成の促進
2つ目は人材育成の促進です。
人的資源管理において、人的資源を有効活用するためには、人材育成制度が有効です。人材育成制度とは経営課題を克服し、目標を達成させるために必要な教育や訓練を社員に施すための制度です。職務を通じて行うOJT(On the Job Training)や研修ルームに社員を集めて行うOff-JT(Off the Job Training)といった方法で、新入社員研修、技能訓練、配置転換教育などが設計されています。
人材育成を促進させることで、企業目標の実現化につながります。そのため、人材育成の促進は人的資源管理の目的の一つであるといえるでしょう。
・OJT:職場の上司や先輩が、部下や後輩に対して、実際の仕事を通じて指導し、知識、技術などを身に付けさせる教育方法のことになります。OJTは一般的に新入社員教育で用いられることが多く、1人の新入社員に1人の先輩社員が付く形となります。経験を通じて学ぶため、より実践的なノウハウや知識を身につけることができます。
・Off-JT:職場を離れて行う人材教育のことです。人事など社内で考案したプログラムや外部の研修会社が作成したプログラムを、対象となる社員に受講させ、必要な知識やスキルを習得させます。新入社員から管理職まで特定の専門知識を身に着けるために、階層別に実施している企業が多いです。
最後に
今回は、人的資源管理と目的についてご紹介しました。
人的資源管理は、社員がいかに能力を発揮し、モチベーションを維持して企業に貢献できるかによって、目的を達成することができます。時代の移り変わりとともに、育成する人材像を的確に変化させた制度設計をすることで、人的資源は有効活用されるといえます。企業全体の仕組みを変革し、組織戦略の実現と人材育成の促進という目的が達成させれば、組織全体として成長していけるでしょう。
そのため、弊社では経営者の方向けに事業に関するさまざまなお困りごとをサポートしております。組織開発や部署改善に人的資源管理と目的の考え方を取り入れ、企業単位で人材育成促進向上を図ることで、組織全体のパフォーマンスやマネジメント力を高めるための手法をお伝えしております。
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